下図は、熊野古道ウォーキング時の心拍数の推移の一例(65歳女性)である。約7km(3時間)の行程の全てにおいて、平均は90拍程度であり、最大でも120拍を超えなかったことから、安全に歩けるコースであることがわかった。
また、紫外線量を熊野古道ウォーキングコース11箇所と平地公園の日なたと日陰部分の2箇所で測定した。その結果、熊野古道の紫外線量の平均値は、平地公園の日なたと比較すると1/50程度であった。
【ストレスを軽減】
ストレスホルモンの一種である唾液中のコルチゾール値が熊野古道ウォーク(1回)後に減少。比較対象調査として行った和歌山市の平地公園では有意な変化はみられなかった。
【免疫力をアップ】
免疫力を示す物質である唾液中のI g A (免疫グロブリン)は、和歌山市からの参加者は熊野へ到着した時点で増加し、熊野古道ウォーク後も高い状態で維持した。
【精神を安定させる活動性アップ】
POMS(※)という心理テストの結果、緊張、怒り、抑うつといった感情が減少し、活動性が増加する等、心理的に有意な効果が認められた。
※*POMS=Profile of Mood States(感情プロフィール検査)
【脳トレ効果・大脳活性への影響】
下図は、前頭葉の働きをブランチングテスト(コンピューターを用いた前頭連合野の機能測定テスト)の一例である。
ウォーキング前に比べウォーキング後の方が課題に対する正解率が高くなっていた。本調査の結果と先行研究から推測すると、熊野古道ウォーキングにより前頭連合野の働きが高まる可能性がある。